歯科金属アレルギーについて
その体の不調、銀歯が原因かも・・・
あなたは虫歯の治療をしたことがありますか?
心当たりのある人の多くは口の中に金属の詰め物が入っています。歯科治療において金属はよく使われますがこの金属がアレルギーを引き起こすことがあります。
歯科金属アレルギーの特徴
① 歯科金属がアレルギーの原因になっていても気付かれにくい
皮膚に身に着けるブレスレットやネックレスなどの金属アレルギーとは違うのはお口の中だけではなく、全身的にも症状が出ることがあるということです。そのため症状の原因が歯科金属アレルギーと分からず苦しんでいる人も少なくありません。
② 保険の金属はお口の中で錆びやすい
保険で使われている金属は高温多湿のお口の中では錆びて唾液に溶け出してしまいやすいという欠点があります。その溶け出した金属イオンがアレルギー源となってしまいます。
金属によってイオン化(溶けやすい)しやすいものとそうでないものがあります。
③ 長年入れていることで体内に蓄積される
お口の中に入っている金属は何年何十年と入りっぱなしになるため、溶け出した金属は体に蓄積され、それが過剰になることでアレルギー反応が起こるとされています。
④ 数種類の金属が入っているとアレルギーになりやすい
お口の中によく使われる金属にはパラジウム、銀、ニッケル、コバルト等があります。お口の中に種類の違う金属が入っていると微弱な電流である「ガルバニー電流」が発生し、アレルギーが起こりやすくなることがわかっています。
⑤ お口の中に炎症があると金属アレルギーが起こりやすい
重度の歯周病や口内炎などの炎症状態が続いているお口の中では特に金属がイオン化しやすく、金属アレルギーを起こしやすいと言われております。
お口の中や周囲だけでなく全身にも症状がでる
歯科金属アレルギーの症状はお口の中やその周囲に出る場合と、全身的に出る場合があります。
お口の中だと次のような病気があります。
口内炎・舌炎
口内炎が頻繁にできたり、舌に炎症を起こすことがあります。
口唇炎・口角炎
唇の周りが赤くただれたり、お口の両端(口角)が赤く炎症を起こして切れたりすることがあります。
口腔扁平苔癬
お口の中の粘膜に白い線状、レース状、網目状の模様があらわれ、周囲が赤くただれます。触れるとピリピリ痛むことがありますが、無症状の場合もあります。
味覚障害
アレルギー反応が舌の表面に起こると味がわかりにくくなることがあります。
全身に出る場合は身体に取り込まれた金属イオンが体内のたんぱく質と結合してアレルゲンとなり、汗として排出されるときにその皮膚の表面でアレルギー反応をおこします。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
これは手のひら、足の裏に多数の膿疱ができる難治性の慢性炎症性疾患です。膿疱は数日で乾燥し、黄褐色となりぼろぼろと皮がめくれてきます。
アトピー性皮膚炎
一般的にアトピー性皮膚炎の原因としてダニやハウスダストなどが有名ですが意外と知られていないのが歯科金属です。一般的な治療を行っても改善がみられない場合は歯科金属が影響している可能性があります。
脱毛症
蓄積された金属が一定のアレルギー許容量を超えると髪の毛が抜けてしまうことがわかってきています。皮膚科で治療を行ったが治癒せず、原因がお口の中の金属で除去したら完治したというケースの報告があります。
このように歯科金属が原因で様々な症状を引き起こすことがあります。このような病気に心当たりのある方、不安に思っている方はお口の中の金属をすべて除去する治療を行いますのでご相談ください。